シャトー・ル・パン Le Pin Pomerol ポムロール について
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講談社刊 ロバート・M・パーカーJr.著ボルドー第3版1057ページ本文より引用(改行調整)
(引用開始)
隣接する著名なシャトー、ヴィユー=シャトー=セルタンを所有するティアンポン家が、1924年以来ロービー夫人の家系の所有となっていたポムロルの丘の中央にある小さなシャトー、ル・パンを手に入れたのは1979年のことだ。
ティアンポン家の人々の話では、偉大な豊かさと威厳に富んだペトリュスらしいワインをつくることを目指しているという。
彼らの最初のヴィンテージはポムロルの熱狂的ファンを小躍りさせた。
すばらしく豊かだが、目立って樽香が強くて大柄なスタイルではないポムロルという印象を与えるからだ。
現在、こう結論してなお早すぎることはないだろう。
ル・パンはポムロルの偉大なワインのひとつになるとともに、このアペラシオンで最もエキゾチックで高価なワインのひとつになったのだ!
ル・パンのその派手な個性がどこから生まれるかと言えば、その多くはおそらく、次の事実からくる。
マロラクティック発酵を実際に新しいオーク樽で行うボルドーのシャトーはほんの一握りしかないのだが、ル・パンはそのひとつだということだ。
この過程は労働集約的で、これを行えるのは常にワインを監視していることが可能な比較的産出量の限られたシャトーだけなのだ。
しかし、この技術があってこそ、ル・パンの燻(いぶ)したような、エキゾチックな香りの巨大なブーケが生まれるのである。
また、どのような秘訣があるにしろ、ポムロル丘陵のこの位置(すべてのシャトーのなかで最も高い位置にあると聞いているが)にある鉄分豊富な砂利の土壌が、微小な生産量のル・パンにカルト的人気をもたらすのに与(あずか)って力あることは確かである。
ル・パンに批判の余地があるとすれば、長くセラーで寝かせたとき、ワインの熟成がうまくいかないことがあるということだろう。
この銘柄の熟成を続ける力については言及を差し控えたいが、これだけは確かに言える。ワインの寿命の最初の15年以内での豪奢で複雑な飲み心地に関しては、ポムロルで、あるいはボルドー全体でも、その純粋な喜びと享楽的な魅力の点でル・パンに対抗できるワインは、おそらく、退廃的なスタイルのサン=テステフのオー=マルビュゼを除けば、皆無である。
(引用終了)
